【獣医師監修】愛犬の顔をシャンプーする方法と注意すべきこと
愛犬の顔まわりをシャンプーする際、こんな疑問はありませんか?
- シャンプーが目に入っても大丈夫なの?
- 顔まわりのシャンプーはどのようにおこなえばいいの?
- 愛犬の顔をシャンプーする時に順番はあるの?
- 顔まわりのシャンプーをする際に気を付けることはある?
このように、愛犬の顔まわりのシャンプーについてよく質問をいただきます。
そこで、今回は犬の顔のシャンプーについて解説します。
この記事を読むと、
- 愛犬の顔をシャンプーする必要性が分かります。
- 愛犬の顔をどのタイミング、どの順番で洗えば良いか分かります。
- 愛犬の顔をシャンプーする際に気を付けるべきことが分かります。
ご自宅で愛犬の顔まわりをシャンプーしてあげたいという方はぜひご覧ください!
愛犬の顔のシャンプーをする意味とは?
愛犬の顔だけに限りませんが、シャンプーの主な役割は汚れを落とすことです。
汚れが溜まったままだと、皮膚の新陳代謝が悪くなったり、さまざまな皮膚病を引き起こす可能性があります。
それは、顔まわりの皮膚でも同様です。
涙やけについても、目の周りの汚れなどが関係しているので、溢れた涙を定期的に拭いてあげることも含め、目の周りを清潔に保つ必要があります。
一方で、顔まわりは愛犬が嫌がる場所でもあるので、シャンプーしづらいですよね。
少しでも顔まわりのシャンプーがしやすくなるよう、これから解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
愛犬の顔のシャンプーは最後におこなう
まず、犬のシャンプーをする際に体のどこから洗っていくかについてまとめます。
- 首から尻尾にかけて体全体
最初に首、肩や前腕、胴体、後ろ足、尻尾といった順番でシャンプーしていきましょう。絶対にこの順番でないといけないわけではなく、まずは敏感でない部分の体全体から洗えば問題ありません。 - 四肢の指先
体全体をシャンプーしたら、四肢の指先をしっかり洗います。指と指の間は汚れが溜まりやすいので洗い損ねがないよう泡で優しく洗いましょう。 - 最後に顔まわり
頭頂部など頭から耳、目の周り、口の周りと洗っていきましょう。この際、目や鼻に水や泡が入らないよう気を付けてください。洗いづらい場合はスポンジなどを使用すると洗いやすいです。
上述のように、顔まわりは基本的に最後に洗います。
理由のひとつとしては、愛犬を過度に怖がらせないためです。
顔まわりのシャンプーは犬にとっては怖いことが多いので、いきなり顔から洗うと嫌がります。
まずは体などからシャンプーを始め、慣らしていくことが必要です。
そしてもうひとつの理由は、目や鼻にシャンプーが入らないようにするためです。
顔から洗うと、体や足などを洗っている間に、シャンプーが目や鼻に垂れてしまったり、シャンプーを舐めて鼻に入るリスクが生じます。
このような理由から、顔まわりは最後に洗い、そしてすすぐ際は最初にすすぐようにしましょう。
愛犬の顔まわりをすすぐ際は、顔まわりのシャンプーの泡をスポンジ等で取り除いてから、シャワー(36℃前後)で流していきましょう。この際も目や鼻に入らないよう気を付けながらすすいでください。
シャワーの強さは弱くして優しく、かつ、しっかり洗い流しましょう。
愛犬の顔まわりをシャンプーする順番
愛犬の顔まわりをシャンプーする際は、下記の順番で洗いましょう。
- 頭部(頭頂部など)
最初に頭部から洗っていきます。この際、目にシャンプーが入らないよう気を付けてください。 - 耳
続いて耳を洗っていきましょう。耳の外側を洗い、耳の内側は見える範囲まで洗うようにしましょう。耳の中の深いところまで洗うと中耳炎などの原因にもなります。耳の中の汚れが気になる場合は動物病院で綺麗にしてもらうとよいでしょう。 - 目の周り
目の中にシャンプーが入らないよう丁寧に洗っていきます。涙やけなどシャンプーで取れない場合でも強くゴシゴシ洗わないようにしてください。 - 口鼻の周り
最後に口や鼻の周りを洗います。この際も鼻に水やシャンプーが入らないよう気を付けてください。
無事に洗い終えたら、下記の順番でしっかりとシャンプーをすすぎましょう。
- 顔まわりの泡を取り除く
最初に、顔まわりに残っているシャンプーの泡を取り除いておきましょう。始めからシャワーで流しても問題はありませんが、シャンプーができるだけ目や鼻に入らないようにするため、愛犬が嫌がらない範囲で取り除きます。 - 頭部(頭頂部など)
シャワーを弱くして、シャワーヘッドを皮膚に近づけた状態ですすいでいきましょう。 - 目や口の周り
目や口の周りをすすぐ場合は、直接シャワーをかけるのではなく、頭部や後頭部にシャワーを当ててそのお湯を利用しながら、目や口の周りを手などで優しくすすぎます。
愛犬の顔をシャンプーする際の注意事項
愛犬の顔まわりをシャンプーする際に気を付けることは、
目や耳や鼻にシャンプーが入らないようにする、ことです。
目に関しては、入らないよう気を付けるのは前提として、
過度に気にする必要はありません。
水やシャンプーが入ってきそうになれば犬は目を閉じます。
耳や鼻に関しては、水やシャンプーが入ってくることを犬自身で防げませんので、
洗う人が十分気を付ける必要があります。
水やシャンプーが目耳鼻に入ってしまわないか心配な方は、手やスポンジなどを使って、汚れている箇所だけを優しく洗い、すすぐと良いでしょう。
次に注意すべきことは、
涙やけをシャンプーだけで綺麗にしようとしない、ことです。
目の周りの毛が変色しているように見える涙やけは、
飼い主の方にとっても気になると思います。
涙やけが綺麗に取れるシャンプーがないか聞かれることも多いですが、
絶対に綺麗になる、というシャンプーはありません。
涙やけは原因をしっかり取り除かないと、1回シャンプーして綺麗になったとしてもまた涙やけをおこすでしょう。
まずは、定期的に溢れた涙を拭いてあげたり、シャンプーでは優しく洗ってあげてください。
それでも涙やけが取れない場合は、動物病院で検査してもらい、適切な処置をしてもらいましょう。
最後に、愛犬が顔まわりのシャンプーを嫌がる場合は無理にしない、ことです。
暴れている犬を無理にシャンプーすると、シャンプーが嫌いになるのはもちろん、目や耳などの粘膜を何かの拍子で傷つけてしまうかもしれません。
どうしても難しい場合は、トリミングサロンや動物病院など専門家にお任せしましょう。
愛犬の顔のシャンプーのまとめ
愛犬の顔のシャンプーについてまとめます。
- 体だけでなく顔まわりもしっかり汚れを落とし、皮膚病にならないよう気を付ける必要がある。
- 愛犬が驚かないよう体から洗い始め、最後に顔まわりを洗う。
- すすぐ際は、顔からシャンプーを流し、目耳鼻にできるだけ水やシャンプーが入らないようにする。
- 飼い主ではどうしようもない時は、無理せずトリミングサロンや動物病院など専門家に任せる。
顔まわりは敏感な部分でもあるので、
犬も嫌がりやすいですし、飼い主側も怖く感じますが、
徐々に水やシャンプーに慣らしながら挑戦してみてください。
シャンプーは愛犬とのコミュニケーションの時間でもあります。
愛犬に声をかけながら、優しく洗ってあげてくださいね。